2017.06.21

Luchin(Victor Jara)

凧のように壊れやすいバランカスの屋根の上で
少年ルチンは遊んでいた
紫色の手をして
布のボールと猫と犬と一緒に
馬がそれを見ていた

彼の潤んだ瞳の奥に
澄んだ緑が水浴びしてる
布のボールと猫と犬と一緒に
おしりを汚した子供がハイハイしてる
馬がそれを見ていた

その狭い場所では馬もまた遊び道具で
彼もまるで動物みたいにその仕事が好きだった
ぬれたルチートは布のボールと猫と犬と一緒に

もしルチンのように土を食べたり
虫を食べたりしている子供達がいるなら
すべての鳥籠を開けよう
鳥たちのように羽ばたけるように
布のボールと猫と犬と馬も一緒に

※翻訳:笹久保伸 (2017)
———-
※ルチンは、1971年にチリで作られた。
ルチンというのは少年の名前で、ルチンはチリの大寒波の被害の時に貧民街から町に逃げてきた難民の子供。
(当時の南米はものすごい社会格差と貧富の差があった。)
ルチンは10人兄弟の末っ子で、貧しく、道端に荷物のように捨てられていた。
それをたまたま見つけたビクトル・ハラが病院に連れて行き、援助し、またスラムに送り届けた。
この曲はその少年との交流を歌にしたもので、有名な曲。
ビクトルは生前「こういう貧しい少年が20年後、15年後にチリの工場のリーダーになるんだ」と語っていた。(こういう少年たちがチリの未来の社会を作っていくんだ、という意味)

その直後にチリはアメリカのCIAが送り込んだ工作員によって軍事クーデターが起き、
軍が大統領を殺し政権を奪う。
貧しさの現実や軍事政権批判をする歌を歌ったビクトルは1973年に44発の銃弾によって暗殺された。
ビクトルの暗殺から44年後の2017年、大人になったルチンは弁護士になっている。

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